Monthly Archives: 11月 2013

ロシアタレントとの出会い#17

 表に出ると私の名前が書いてあるボードを持った現地旅行社員が待っていました。彼の案内でタクシーに乗りました。国際空港にしては出口付近がうす暗く怪しげな雰囲気の男たちが屯していて、『タクシー』と大声で外国人旅行者を呼び止めていました。これも又国際空港のイメージとはかけ離れた異様な光景でした。彼らはもぐりのタクシードライバーで背景にはマフィアも絡んでいる場合もあるとか...聞きました。
タクシーは古びたロシア製...タクシーの窓から見えるうす暗い街灯に照らされた街並み、寂寥感あふれる街を通って40分、車はホテルの前に到着。
ホテルの入り口は大きな分厚い木の扉。木の扉を開けてホテルに入るとエントランスロビーはやたらと広く、スターリン様式の建物で部屋やロビーは伝統的なヴィクトリア様式風に作られていて荘厳さよりも特に古さだけを感じるホテルでした。
急いで受付に行きバウチャー(ホテルの宿泊証明書)とパスポートを提示しました。予約してあるのですぐに部屋のキーを渡されすぐに部屋に案内されるのが当然と考えていました。しかしいくら待っても応対してくれません。30分経っても対応しないので早くするよう催促しても急ぐ様子も無く...部屋が決まるまで一時間経っていました。とにかく呆れるというか...悪びれる様子も無く....『何か文句あるのか』と言いかねない態度には驚くばかり...
日本の旅行社で決めた部屋とはまるで違う部屋に決められたのです。すぐにクレームを言って交渉...最終的に部屋が決まるまで1時間半...怒りがいっぱい...長旅の疲れがどーと出てきました。旅行社に任せていたのでホテルのいい加減な状況を予想もしていなかったのでした。私は学生の頃からいろいろな国を訪れましたがロシアは特別な国....文化や価値観の違う国なのだと思うようにして怒りを抑えたのです。モスクワ到着初日の出来事として今でも鮮明に覚えています。
やっと決まった部屋で荷物の整理をしていると部屋の電話が鳴るのです。受話器を取ると女の声で『ハロー 女はどうですか?』...
フロントの対応も遅くやる気の無い態度のおばさん達...本業以外の裏ビジネスなのか...この対応の早さには脱帽させられました。今でいえば個人情報の流出です。顧客名簿がある組織に流れる仕組みになっていたのでしょう。外国人男性客をターゲットにしているのです。夜の12時頃...ドアをノックする音で目が覚めました。ドア越しに太い男の声が聞こえるのです。返事をしないで耳を澄ませているとしばらくしてから人の気配が無くなりました。『このホテルはどうなっているのだ』と怒鳴りたくなりました。翌日ロシアの友人にこの話をすると友人はマフィアがコールガールの斡旋をしホテルと共存共栄しているらしい...だから『ドアは絶対開けない事』と言われました。
ホテルに入る時ガードマンがホテルカードとパスポートの確認をし厳重なチェックを受けて入ります。しかし夜のビジネスの女性達はフリーパスです。当時のロシアは何ともおかしな国...矛盾だらけの不思議な国に見えたのです。
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ロシアタレントとの出会い#16

アシスタント第一号のナターシャから10代、20代前半のモデルの写真が沢山送られてきました。写真だけで判断するのは難しいので取りあえずモスクワに行くことにしました。

最初に訪れた日のモスクワは1994年3月末、街にはまだ雪が残っていて厳しい寒さの日でした。モスクワのシェレメーチェヴォ空港に着いた時の驚き...今でも忘れる事は出来ません。薄暗い陰気な建物の空港、入国検査官の目つきは猜疑心に満ちていて、やたら時間がかかる入国審査... 日本の空港では見る事が出来ない光景ばかりでした。日本ではどんなに混雑しても入国審査はかなりスムースに通過出来ます。 旅行者の面前で平然と物を食べたり,タバコを吸ったりしているモスクワ空港の係官...旅行者が列をなして並んでいると地味な制服を着た何人かの係官が後列に回り賄賂を要求して順番を優遇していたり...日常茶飯事の出来事なのかもしれませんが実に不愉快な光景でした。 総てのロシア人がこの様な人達と同じだとは思いませんが私の第一印象はこれが本当にロシアなのか...大国ロシアの現実の姿なのか.... 私は言葉で表現できないほど落胆し、この時はとんでもない国に来てしまったと悔やんだものです。入国審査を1時間以上も待ち荷物が出てくる迄40分以上待ちました。それでもいつもより早いとか... 日本人の若者は自分の荷物が出てこないので顔色を変えて困っていました。 係官は現場を見ていても助けようとしません。私も初めてのモスクワだったので彼を助ける事が出来ないので彼をインツーリストのオフィスに連れて行ったのです。時間はかかりましたが何とか荷物が見つかったので安心しました。 この時も「大変な国に来たぞ!」と実感...でした。 私は気持ちを引き締めて重たいバッグを転がしながら空港の外に出ました。img565
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