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ロシアタレントとの出会い#59

3602撮影が終わりユーリアを近くの駅で降ろした後、私は地下鉄の駅で降ろしてもらいアシスタントと別れました。撮影が早く終わったので私はアルバート通りに行くことにしたのです。この通りはモスクワでもっとも古い通りの一つと聞いていたので行ってみたかった所でした。 古い街並み、ロシアの民芸品を売っている露店、ミュージシャン、特に観光客の肖像画を書く絵描きがあちこちにいたのが印象的だった。 人気のある絵描きの前には客が並んで待っている。そばで見ていると客の顔の特徴を良くつかんでなかなか上手に描いていました。 私はあちこち歩きながら町の風景を撮っていました。当時、カメラを肩にかけて街を歩いている人をほとんど見たことがありません。私も町を歩く時はバックの中にカメラを入れて目立たないように常に注意しながら行動していたのですが...少し怖い経験をしてしまいました。この時を最後にモスクワの町を一人で歩くことは止めました。何故ならクレムリンの近くで二人の警官に呼び止められパスポートの提示を要求され交番に連れて行かれそうになったのです。パスポートの不備があればモスクワには入国できないのですからこれは言いがかりだと思いました。パスポートに入れて置いた2,000ルーブルを警官に渡して何とかこの場を切り抜けました。しかし1時間後ホテルに帰る途中、二人の警官が私を見るなり駆け寄ってきて、又『パスポートの提示』と言うのです。彼らは前の警官の仲間でした。私に『2,000ルーブルくれ』と言うのです。私は彼らと関わりたくないので2,000ルーブル払いました。彼らは笑いながら『有難う』と言って去って行ったのです。私はほっとしたと同時にロシアの裏側を見た気がしました。この時以来、街を歩く時は必ずアシスタントと一緒に行動する事にしました。ロシア人が一緒であれば警官が言いがかりをつけることはないという事がわかったからです。